【書籍】井ノ上陽一『ひとり税理士のIT仕事術』

同業者にあまり知り合いがおらず,まして,友人と呼べるような税理士がいない当職ですが,本書の著者である井ノ上陽一さんは,とても近しい存在だと(勝手に)思っています。なにしろ,会ったことがないのですから,友人ではないはずです。井ノ上さんの著作…

「会計不正調査報告書を読む」Profession Journal誌に寄稿しました。

profession-net.com 先週,経営破綻が伝えられた株式会社郷鉄工所の経営者による粉飾決算の様子をまとめた調査報告書の解説記事を,Profession Journal誌に寄稿しました。原稿のまとめ作業中に,2回の不渡りを出したことがIRニュースとして公表されていて,…

株式会社郷鉄工所,倒産(東京商工リサーチより)

9月11日をもって上場廃止となることが決まっていた東証・名証2部上場の株式会社郷鉄工所が2回の不渡りを出して,銀行取引停止処分になったようです。 郷鉄工所といえば,第三者委員会を設置するための費用が捻出できないとか,第1次調査の範囲を限定しすぎた…

「会計不正事件における当事者の損害賠償責任」【連載第6回】をProfession Journal誌に寄稿しました。

毎週木曜日は,web情報誌Profession Journalの刊行日です。このところ隔週で連載を続けさせていただいた「(判決から見た)会計不正事件における当事者の損害賠償責任」は,第6回となる今週が最終回。これまで判決の検証を中心に論考を続けてきた損害賠償責…

【書籍】木山泰嗣『教養としての「税法」入門』

いつの間にか青山学院大学の教授になられていた木山泰嗣先生による入門書を読みました。もちろん,入門書なので,新しい知識を得ることができたというわけではないのですが,面倒な税法理論を,平易な言葉で解説する木山先生の文章はたいへん読みやすく,興…

経理責任者による不正――光彩工芸社

JASDAQ上場の貴金属アクセサリーの製造販売会社株式会社光彩工芸は,8月18日,「当社経理部門責任者の不正行為に関するお知らせ」 を公表しました。 決算短信及び開示書類 - 株式会社 光彩工芸 リリースによると,発覚の発端は「東京国税局の調査」というこ…

「会計不正事件における当事者の損害賠償責任」【連載第5回】をProfession Journal誌に寄稿しました。

web情報誌Profession Journalに隔週で連載中の「会計不正事件における当事者の損害賠償責任」第5回は,「引受証券会社の損害賠償責任」について,エフオーアイ事件第1審判決(東京地方裁判所平成28年12月20日判決)を引用しながら,検討しました。本判決は,…

「租税回避の定義」変更――金子宏『租税法(第22版)』

先週,東京税理士会の「法律講座Ⅱ」を受講していると,講師の酒井克彦教授から,今年の『租税法』では,租税回避の定義変更が行われていて,これまでの,金子名誉教授の定義が変わっていることが示唆されました。 租税法〈第22版〉 (法律学講座双書) 作者: …

「会計不正調査報告書を読む」Profession Journal誌に寄稿しました。

Profession Journal誌で連載中の「会計不正調査報告書を読む」連載第61回は,富士フイルムホールディングス株式会社第三者委員会調査報告書をとりあげました。何しろ,長い報告書で,細部にわたって事実認定がなされ,まとめるのがたいへんでした(調査に当…

Profession Journal誌に寄稿しました。

毎週木曜日公開のweb情報誌Profession Journal誌で,今週は,連載が2本公開されました。 まずは,隔月くらいの頻度で連載させていただいている「租税争訟レポート」から。とりあげた事案は,税理士が損害賠償請求を受けた裁判の判決です。争点は,顧問税理士…

「会計不正事件における当事者の損害賠償責任」【連載第3回】をProfession Journal誌に寄稿しました。

profession-net.com 先月から連載をさせてもらっている「会計不正事件における当事者の損害賠償責任」第3回目は,不正に加担したり,不正があったことを知っていたりしたわけではない取締役の損害賠償責任について,ふたつの判決を比較しながら,裁判所は,…

「会計不正調査報告書を読む」Profession Journal誌に寄稿しました。

profession-net.com Profession Journal誌に連載させていただいている「会計不正調査報告書を読む」も,ついに60回目を迎えました。ほぼ月に1回のペースですので,5年ばかり続いていることになります。いつも的確な指摘・校正をいただいている編集部にあらた…

「旬刊経理情報」7月20日号に寄稿しました。

中央経済社さんの「旬刊経理情報」7月20日号に寄稿しました。 編集部におつけいただいたタイトルは「粉飾決算と横領のケースに見る会計不正が発覚した際の税務手続のポイント」とかなり長いですが,粉飾が判明した場合の法人税の更正の請求手続きと,従業員…

「会計不正事件における当事者の損害賠償責任」【連載第2回】をProfession Journal誌に寄稿しました。

profession-net.com 今月から連載を開始した「(判決から見た)会計不正事件における当事者の損害賠償責任」第2回を寄稿しました。今回は,監査役,とくに社外の非常勤監査役が,会計不正事件に対して,どのような責任を負うのかを,先行するニイウスコー事…

「タックス・ジャスティス」と「税金地獄」

租税に関してまったく違った立場からの論点を提示する二冊の書籍を読みました。伊藤恭彦教授の「タックス・ジャスティス」は,文字どおり,租税とはどうあるべきかを政治哲学の立場から考察するものであり,朝日新聞紙上の連載をまとめた「ルポ税金地獄」は…

「公表裁決事例平成28年10月から12月分」Profession Journal誌に寄稿しました。

3か月に一度,国税不服審判所が公表している裁決事例。先週21日に,平成28年10月から12月分として,9件の裁決事例が公表されました。その中から注目される事例をとりあげて,解説した記事を,Profession Journal誌に寄稿しました。 今回の公表裁決には,めず…

「会計不正事件における当事者の損害賠償責任」Profession Journal誌に寄稿しました。

profession-net.com 「会計不正調査報告書を読む」と「租税争訟レポート」という2本の連載記事を寄稿させてもらっているweb情報誌Profesion Journal誌上で,新しい連載記事「(判決から見た)会計不正事件における当事者の損害賠償責任」を全6回の予定で,開…

「会計不正調査報告書を読む」Profession Journal誌に寄稿しました。

profession-net.com 今月とりあげた調査報告書は,JASDAQ上場のGMOアドパートナーズ社の連結子会社で発覚した架空売上計上事件です。本事例の特徴は,第三者委員会による報告書の公開方法にあります。第三者委員会は,事実関係と原因分析中心の「中…

書籍 髙村薫著『作家的覚書』

新聞書評に載っていたので読んでみました。2014年から2016年にかけての3年間の出来事に対する髙村さんの思いが,雑誌の連載記事を中心にまとめられています。 作家的覚書 (岩波新書) 作者: 高村薫 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2017/04/21 メ…

「租税争訟レポート」Profession Journal誌に寄稿しました。

profession-net.com web情報誌Profession Journal̪誌で,ほぼ隔月連載中の「租税争訟レポート」第32回の連載記事が公開されました。今回は,租税特別措置法の所得拡大促進税制の適用について,当初申告要件の是非が争われた東京地方裁判所判決をとりあげまし…

「会計不正調査報告書を読む」Profession Journal誌に寄稿しました。

profession-net.com 連載第58回目は,去る4月17日に公表された,昭光通商株式会社特別委員会報告書をとりあげました。M&Aによって子会社化したところ,ふたを開けてみれば,架空循環取引(報告書上の表記では「資金循環取引」)によって大幅に売上を水増しし…

税務弘報2017年6月号に寄稿しました(発売中です)

ここ数年,税務弘報さんでは「定時株主総会における税務問題」の特集を6月号(5月初旬発売)で組まれており,今年も,執筆依頼をいただきました。役員給与,配当などのテーマは既にとりあげており,さて,テーマをどうしたものかと思って,編集部と相談して…

太陽光ファンド,出資による不正節税(読売新聞より)。

www.yomiuri.co.jp けさの読売新聞,1面と社会面で大きく報じられていました。有料会員以外は,ウェブ記事では冒頭しか読めないので,脱税の手口はわからないかと思いますが,紙面では,詳細に報じられています。 簡単に言えば,発電設備の一括償却が認めら…

「会計不正調査報告書を読む」Profession Journal誌に寄稿しました。

profession-net.com 第57回目となる今回,とりあげさせていただいた事例は,1月31日に公表された株式会社ブロードリーフの調査委員会最終報告書です。従業員による不正送金事件が,どうして長期間にわたって発覚しなかったのか。常勤監査役を調査委員長…

「コンプライアンス違反」倒産動向――東京商工リサーチ社が公開。

www.tsr-net.co.jp 7日,東京商工リサーチ社が公開した2016年度「コンプライアンス違反」倒産動向では,件数ベースでは2年連続減少していることが明らかになりました。その理由として,同社では, 2016年度「コンプライアンス違反」倒産動向 : 東京商…

書籍 森信茂樹編著『税と社会保障でニッポンをどう再生するか』

中央大学法科大学院の森信茂樹教授の論説+対談集。とくに「第1章アベノミクスと税・社会保障の現状」と題された論考は,実に多様な論点について,森信先生の考えが述べられていて,読み応えがありました。 税と社会保障でニッポンをどう再生するか 作者: 森…

月刊税理4月号に寄稿しました(発売中です)。

月刊税理4月号「法人税実務」のコーナーに,「年度末決算賞与支給の意思決定と税務上の留意点」と題した論考を寄稿させていただきました。お題はいつものとおり編集のご担当者からいただいたものですが,毎度のことながら,タイムリーな論点をお示しいただ…

「公表裁決事例(平成28年7月~9月)」Profession Journal誌に寄稿しました。

profession-net.com 先週23日,国税不服審判所が公表した裁決事例に関する速報解説記事をProfession Journal誌に寄稿しました。今回の公表裁決事例でも,「重加算税」の賦課決定処分に関する事例が二つあり,毎回のことですが,「重加算税」の要件に関して,…

「会計不正調査報告書を読む」Profession Journal誌に寄稿しました。

profession-net.com 昨年6月から7月にかけてのアスカ監査法人所属の公認会計士のみなさんは,たいへんな日々を送っていたのではないかと思われます。インターネット情報がどの程度性格なのかはわかりませんが,おそらくは20社程度と推測される上場会社の…

書籍 水島治郎『ポピュリズムとは何か――民主主義の敵か,改革の希望か』

ちょうど,オランダの選挙で,ウィルデルス氏率いる自由党が注目を集めているときだったので,読んでみました。 ポピュリズムとは何か - 民主主義の敵か、改革の希望か (中公新書) 作者: 水島治郎 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2016/12/19 メディ…

書籍 渡邊浩滋『「税理士」不要時代』

なかなか刺激的なタイトルに惹かれて,読みました。著者は1978年生まれ。税理士業界では,完璧に「若手」の部類です。何しろ,税理士登録者のうち53.8%は60歳以上だというのですから(本書20ページ)。そんな新進気鋭の税理士が語る,「税理士不要時代を勝ち…

書籍 横尾宣政『野村證券第2事業法人部』

めずらしく,アマゾンで予約をして購入しました。 著者は,「オリンパス巨額粉飾決算事件」で,検察から「粉飾を指南した」として起訴された元野村證券社員。第三者委員会の調査報告書,マスコミ報道とは異なる事件の裏側がわかるのではないかと期待して,読…

「会計不正調査報告書を読む」Profession Journal誌に寄稿しました。

profession-net.com ほぼ月に1回のペースで連載を続けさせていただいている「会計不正調査報告書を読む」の第55回目は,メディビックグループ社の第三者委員会調査報告書をとりあげました。ご承知のように,同社は既に,昨年10月に上場廃止になっており,証…

【書籍】高桑幸一・加藤裕則編著『監査役の覚悟』

発刊当初から「読みたい」と思っていた本です。「トライアイズ事件」「監査役の乱」など,事件発覚当時は大きな注目を浴びた,トライアイズ社元監査役古川孝宏氏の経営陣との戦いの軌跡を改めて検証し,監査役制度における問題点を真正面からとらえようとし…

「速報解説」日本監査役協会『監査役等と内部監査部門との連携について』を寄稿しました。

profession-net.com web情報誌Profession Netwaorkに「速報解説」として,公益社団法人日本監査役協会が去る1月13日に公表した『監査役等と内部監査部門の連携について』という監査役協会法規委員会がとりまとめたアンケート結果と提言についての,かいせつ…

【書籍】川名壮志『密着 最高裁のしごと――野暮で真摯な事件簿』

ふだん,もっぱら図書館を利用しているのですが,この本は,めずらしく,書店で目にとまって読むことにしました。サブタイトルに惹かれたのかもしれません。著者は,毎日新聞の記者。さすがに文章は読みやすく,難しい法律論を平易にあらわそうとする意図が…

「会計不正調査報告書を読む」Profession Journalに寄稿しました。

profession-net.com 年明け最初の寄稿は,株式会社デジタルデザインの第三者委員会調査報告書をとりあげました。記事の中でも言及していますが,最初に報告書が公開されたころ(8月31日)には,あまり注目をしていなかったのですが,その後,昨年11月ころか…

「週刊エコノミスト」12月20日号特集「粉飾 ダマし方見抜き方」

週刊エコノミスト誌を,特集のタイトルに惹かれて購入しました。執筆陣も豪華であることは,月曜日の朝刊に載った広告でわかってはいたのですが,弊事務所のそばには書店がなく,なかなか手に入れることができずに,一昨日になってようやく読むことができま…

「速報解説」与党税制改正大綱「中小企業に対する特例措置の縮減策」をProfession Journal誌に寄稿しました。

profession-net.com 12月8日に公表された与党税制改正大綱のうち,中小企業に対する各種租税特別措置の縮減に関する項目のついての解説を,Profession Journal誌に寄稿させていただきました。資本金1億円以下であれば,法人税制上は中小企業として,各種の特…

「速報解説」日本監査役協会『会計不正防止における監査役等監査の提言』を寄稿しました。

profession-net.com 公益財団法人日本監査役協会会計委員会が,去る11月24日に公表した『会計不正防止における監査役等監査の提言――三様監査における連携のありかとを中心に――』と題された提言集について。いつも寄稿させていただいているProfession Journal…

「会計不正調査報告書」Profession Journal誌に寄稿しました。

profession-net.com ほぼ月に1回の割合で連載させていただいておりますProfession Journal誌の「会計不正調査報告書を読む」。小職が,セミナーや講習会などでお話しする内容の多くは,この連載記事をベースにしており,そうしたことから,公認不正検査士(C…

「租税争訟レポート」Profession Journal誌に寄稿しました。

profession-net.com web情報誌Profession Journalに連載中の「租税争訟レポート」に新しい記事を寄稿させていただきました。 決算期末,節税対策として商品券などの金券を多めに購入して,とりあえず「交際費」に計上しておく――そんな手法が推奨された時代も…

【書籍】上村雄彦『不平等をめぐる戦争――グローバル税制は可能か?』

読売新聞の書評欄で見つけて,読むことにしました。 ちょうど台北旅行を予定していたため,その道程で,多くを読むことができました。 著者は,国際連合に勤務した経験も有する大学教授。書評によれば,「税制の穴を防ぎ,地球環境問題や貧困,感染症など世…

「会計不正調査報告書を読む」Profession Journal誌に寄稿しました。

連載第52回の事件は,社会福祉法人夢工房の理事長一族による不正をとりあげました。保育園事業と特別養護老人ホームを運営する社会福祉法人です。兵庫県芦屋市に本拠を置く法人の事件であるためか,あまり全国紙には登場しませんが,東京都港区や品川区の保…

「会計不正防史学」企業会計12月号――発売中です。

中央経済社企業会計誌上で,1年にわたって連載いただいた「会計不正防史学」 。連載最終回である12月号は,犯罪心理学が五千問の山本真智子さんによる「エンロン事件――不正を行動科学で見る」です。史上最大の会計不正事件を題材に,不正のトライアングルを…

パナソニックプラズマディスプレイ株式会社 特別清算申請

帝国データバンクは,昨日付の記事で,パナソニック株式会社のk会社であるプラズマディスプレイ製造会社が,特別清算を申請する予定であると報じました。負債総額は5,000億円だそうですが,全額,親会社からの借入金であり,外部の債権者はいないようです。 …

【書籍】上野庸平『ルポ アフリカに進出する日本の新宗教』

著者がブルキナファソに滞在していた2014年前後に,実際に,施設や布教活動を見学し,インタビューを行ったものをまとめたルポルタージュである。タイトルには「日本の」とあるが,ラエリアン・ムーブメントや統一教会といった,発祥が日本ではないものも含…

「公表裁決事例」Profession Journal誌に寄稿しました。

profession-net.com さる9月29日,国税不服審判所が公開した平成28年1月分~3月分の公表裁決事例に関する「速報解説」記事を,Profession Journal誌に寄稿しました。今回は公開された事例の数が多く(17件),とりあげる事例に迷いましたが,なるべ…

【書籍】八代尚宏『シルバー民主主義』

www.tokyo-np.co.jp けさの東京新聞朝刊に,政府の年金給付抑制策とそれを批判する民進党の反論が出ていました。相変わらず,どちらが野党でどちらが与党か,よくわからないようなねじれた主張になっています。どうして,年金給付額の高い人だけ,その給付の…

「会計不正調査報告書を読む」Profession Journal誌に寄稿しました。

profession-net.com Profession Journal誌に,先週,今週と前後編に分けて,特設注意市場銘柄指定解除に向けて,東京証券取引所の審査を受けている東芝が公表した「改善計画・状況報告書」「改善状況報告書」を検証する記事を寄稿させていただきました。 2…