大きな論争を巻き起こしている東芝事件ですが,小職なりの疑問点をまとめたのが,この記事になります。会計不正事件にかかわる報告書を読むとき,小職が最も注目しているのは,「首謀者の動機」なのですが,東芝事件では,歴代社長がどうしてそこまで業績にこだわったのか,肝心の部分は解き明かされないままでした。不正の手口とそのプロセスに関して,これだけ詳細な報告書をまとめながら,「動機」に切り込めなかったのはいささか残念であったというのが総合的な評価になるのですが,これから東芝社がどのように信頼回復を行っていくのかについては,たいへん気になるところです。
なお,おかげさまで,Profession Journal誌上では,本連載が2週続けて,閲覧数でトップに立ったということで,たいへん嬉しく思っております。ありがとうございました。