元支店長逮捕――広島県信用組合詐欺事件。

広島県信用組合の元支店長が顧客の預金を横領していた事件で,2月18日,広島県警に詐欺容疑で逮捕されました。

http://mainichi.jp/articles/20160219/ddl/k34/040/651000c

この事件,信用組合が公表したのは,昨年8月28日のことでした。その中で,実際に横領が行われていたのは,平成20年から平成25年にかけてのことで,内部調査の結果,事件を認識したのは平成25年4月。ところが,事態を把握していたにもかかわらず,信用組合側は中国財務局への報告しなかったようです。横領していた34,730千円は全額弁済がなされたとのことですが,元支店長が懲戒解雇になったのも問題を公表した8月のことで,事件発覚から2年以上,処分がされていなかったようです。

信用組合第三者委員会を設置し,「発生原因の検証や再発 防止策の策定を行い、厳正に対処する」と8月28日付リリースで述べていましたが,第三者委員に誰が就任したかは公表していませんでした。

そして,昨年12月18日に,「不祥事件の再発防止と信頼回復に向けた取組みについて」というリリースを出しました。残念ながら,第三者委員化の調査報告書は公表されていないようです。

広島県信用組合・ニュース&トピックス: 不祥事件の再発防止と信頼回復に向けた取組みについて

リリースの中で,理事長は次期通常総代会をもって退任することが述べられていますが,肝心の,「なぜ,2年以上にわたり行政当局への報告がなされず,首謀者の処分もされていないのか」という疑問に対する答えはないようです。