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内田樹・福島みずほ『「意地悪」化する日本』

 内田樹教授の書籍はいつも楽しく読ませてもらっています。とくに対談集は,内田教授が,相手によって巧みに話術を使い分け,しかも,納得させてしまう論理展開には,感服してしまいます。

「意地悪」化する日本

「意地悪」化する日本

 

  今回のお相手は,社民党参議院議員福島みずほさん。「はじめに」を読むと,福島さんの方から対談を申し込んで,実現したようです。

 内田教授は,繰り返し,安倍総理大臣の政治手法に危機感を訴えます。中でも,「国会の権威失墜」をめぐる安倍総理大臣が果たした役割には,「三権分立主権在民という立憲デモクラシーの根本にある信念を切り崩している」と断じています。

 こうした指摘に対する福島さんの応答は,「私は国会であきらめずに質問して,なんとか議論を活性化しようとしているのですが……」というもので,どうにも内田教授の叱責を受けた神戸女学院大学生の言い訳じみて聞こえてしまうのが,少し残念です。

 社民党は現在,辛うじて政党要件を満たすだけの議員数しか有していません。もう少し,福島さんの発言から,危機感や反自民党としての大同団結に向けた意気込みのようなものが感じられたら,という物足りない思いが読後の残りました。