Profession Journal誌に寄稿しました(租税争訟レポート)。

 昨日公開されたProfession Journal誌に「租税争訟レポート(第27回)」を寄稿しました。役員の分掌変更における退職金の損金算入を巡って争われた裁判で,納税者が勝訴した事件です。3月決算法人の株主総会準備が本格化する季節に合わせて選んだ争訟事件で,東京地裁が,法人税基本通達の規定を「整合性がない」と切って捨てたものです。

 法人税基本通達がわざわざ「分掌変更の場合の役員退職金」の規定を置いているくらいですから,代表取締役などの要職にあった経営者が,一気に退任するのではなく,非常勤取締役となって取締役会に残るというケースは非常に多いことは想像に難くありません。しかし,税務調査などで争点になるのもまた,こうした分掌変更の場合の退職慰労金であり,税務リスクを考えるなら,取締役という肩書は捨ててもらい,顧問や相談役として,時どき会社に顔を出すという方がいいのではないかと思ってしまいます。