「会計不正調査報告書」を寄稿しました。

 今日公開されたProfession Journalに,「会計不正調査報告書第44回」として,去る3月29日に公表された月王将フードサービス第三者委員会報告書の解説記事が掲載されました。

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 ご存じのとおり,2013年暮れに狙撃された前社長の捜査過程で九州地方の暴力団構成員の関与が疑わっるという新聞報道があったことをきっかけに,王将フードサービス社が,いわば『身の潔白』を証明するために設置した第三者委員会による調査結果です。

 まずは,「反社課的勢力と関係がないことを証明する」という,かなり困難な作業に当たった第三者委員会のみなさんに敬意を表したいと思います。そうした困難さは,報告書が,本文だけで93ページに及ぶ大部のものとなった点にも表れているのではないでしょうか。

 そして,この調査では,調査委員にも社外役員にも,小職と同じ公認不正検査士(CFE)資格を有するみなさんが複数名活躍されているようで,読んでいてうれしくなりました。

 今後は,本件のように風評を否定し,被害を最小限に抑えるために第三者委員会が設置されるケースも多くなるかもしれません。これまでの,会社が不正を働き,あるいは従業員に不正があって,それを調査するために第三者委員会とは異なり,「こうした調査を行った結果,そのような事実はなかった」という結論になるわけですが,「こうした調査を行った」という点に関して,本報告書はたいへん参考になるのではないかと思います。