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「理」と「情」の狭間――大塚家具から考えるコーポレートガバナンス(磯山友幸著)

  気になっていた本を,ようやく読みました。

 元日本経済新聞社記者で,経済ジャーナリストの磯山友幸さんが描いた「大塚家具騒動」。磯山氏は「はじめに」の冒頭で,この騒動で得をしたのは誰かという問いに,創業者の勝久氏が所有株式の売却で巨額の利益を得たこと,騒動をきっかけに知名度が向上し,配当性向を大幅に引き上げたことで,大塚一族も大きな利益を得たことを引き合いに出したうえで,「東京証券取引所は当初,父娘の対立を『出来レースではないか』と疑っていた」と書いています。なるほど,そのような見方もあったのか,と変に納得してしまいました。

  磯山氏は,創業者について,次のように書いています。

 後継者がきちんと育たないのには,創業者自身の責任も大きい。ギリギリまで跡継ぎを決めないのである。

 これは創業者の一つの性かもしれない。いつまでも自分が全権を握っていたいのである。いや,自分がつくった会社なので,自分以外に運営できる人間はいない,と心の底から思っているのだ。それが創業者というものだろう。(p.217)

 創業者,カリスマ性を持った経営者に共通してみられることかもしれません。