不定期に連載させていただいているProfession Journal誌最新号に,株式会社テクノメディカ第三者委員会調査報告書について,寄稿しました。第三者委員会委員長は,公認会計士・公認不正検査士の宇澤亜弓先生。会計不正がらみの第三者委員会委員長として,すっかり,おなじみの存在です。
不正の手口としては,売上の前倒し計上と架空計上という,ごくありきたりのものでしたが,不正の実行犯であり,全容を知る立場にいた常務取締役が,第三者委員会に対する会社側窓口となっており,同氏を含めたヒアリング対象者中には,第三者委員会に対し虚偽の説明を行った者がいたため,調査は「困難を極めた(報告書より)」そうです。
そこで,第三者委員会は,報告書の最後に「特記事項」として,日本証券取引所自主規制法人が2月24日公表した「上場企業における不祥事対応のプリンシプル」の趣旨から,会社側の対応を大いに批判します。
このようなTMCの対応は,不祥事対応のプリンシプルの考え方に真っ向から反対するものであり,不祥事の根本的な原因解明こそがステークホルダーからの信頼の回復及び企業価値の再生に資することに鑑みれば,極めて遺憾である。
なかなか,厳しいですね。
ここまで書いて,よく第三者委員としての報酬が貰えたものだと,変な感心をしてしまいました。
「上場企業における不祥事対応のプリンシパル」
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