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「週刊ダイヤモンド」国税は見ている 税務署は知っている

 時おり,週刊ダイヤモンド市場で特集される税金の話。10月8日号は,「国税は見ている 税務署は知っている」というもので, 「富裕層に照準を定めた国税の本気」というサブタイトルがついています。

 さっそく,買ってみました。

  先週28日に,ちょうどBEPSのセミナーを聴講する機会を得て,財務省の浅川雅嗣財務官のお話をお聞きしたばかりでしたので,OECD租税委員会でどのような議論が繰り広げられてきたか,その結果,「自動的情報交換制度」が導入され,国際協調により租税回避を避止するシステムができあがりつつあるという知識があったので,特集自体は,さほど,驚くような内容ではありませんでした。

 配偶者控除の廃止が現実味を帯びてきた中で,国税の特集を組むというのはなかなか時宜に適ったものであるように思います。

 ただ,本特集でも,あるいは,配偶者控除の問題を取り上げる際に必ず引き合いに出される「130万円の壁」について,あまり,誰もとりあげない論点なのですが,国民年金の第3号被保険者制度を廃止するという議論はなぜ出てこないのでしょうか。

 ご存じのとおり,厚生年金保険の被保険者と共済組合の組合員(第2号被保険者)に扶養されている配偶者(第3号被保険者)は,年金保険料の負担はないのですが,将来は,老齢基礎年金を受け取ることが可能です。もちろん,その年金の原資となっているのは,現役世代が支払った年金保険料です。この優遇制度をまず廃止して(会社員に扶養されている配偶者も国民年金保険料を負担することにして),健康保険をどうするか,という点を考えなければならないのではないかと思います。

 逼迫する年金財政をいくらかでも立て直すためにも,第3号被保険者を廃止するという策(=国民年金保険料納付額の増収策)は効果があるはずです。

 配偶者控除を廃止して,夫婦控除を創設するだけでは,単なる独身税であったり,増税に過ぎなかったりして,働き方改革にはつながらないではないかと,週刊ダイヤモンドの特集とは離れてしまいましたが,このところの議論を読んでいて思った次第です。