「会計不正調査報告書を読む」Profession Journal誌に寄稿しました。

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Profession Journal誌に,先週,今週と前後編に分けて,特設注意市場銘柄指定解除に向けて,東京証券取引所の審査を受けている東芝が公表した「改善計画・状況報告書」「改善状況報告書」を検証する記事を寄稿させていただきました。

2011年以降に特設注意市場銘柄指定された会社は15社ありますが,そのうち,1年を過ぎてから提出した「内部管理体制報告書」の審査により解除された会社は3社(ここにオリンパスも含まれます),再提出後に解除された会社が1社,上場廃止になった会社が7社,残る4社が現在も指定中ということですから,指定解除のハードルは決して低くはないと言えます。報道では,早ければ年内,年明けには結論が出るだろうという論調が目立ちますが,さて,東京証券取引所の判断はどうなりますでしょうか。

株主からの損害賠償請求訴訟が次々と提起されている東芝事件ですが,刑事責任をめぐっても,元社長らの立件に意欲を隠さない証券取引等監視委員会と,消極的であるとされる検察庁の綱引きが続いているようです。

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利益を水増しして好業績を仮装し,業績に見合った役員報酬を得ていたわけですから,「会社のためにやった」という言い訳はおかしいのではないかと,経営陣が主導した粉飾決算を見るたびに思うのですが。