「会計不正調査報告書を読む」Profession Journal誌に寄稿しました。

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 ほぼ月に1回のペースで連載を続けさせていただいている「会計不正調査報告書を読む」の第55回目は,メディビックグループ社の第三者委員会調査報告書をとりあげました。ご承知のように,同社は既に,昨年10月に上場廃止になっており,証券取引等監視委員会もまた,1億円を超える課徴金の納付命令勧告を発出しています。そういう意味では,すでに決着のついた事件ではありますが,何とか会計監査人の追及を交わして売上計上を正当なものに見せようとする経営者と,これに毅然と対応した会計監査人とのやりとりが興味深くて,寄稿することにしました。

 メディビックグループ社が「特別損失の計上」を公表した5月16日から約半月後の6月3日,「会計監査人の異動」が公表されます。その理由は「信頼関係が著しく損なわれたため」。なぜ,そこまで,会計監査人の不信が募ってしまったのか。詳細は,ぜひ,連載記事をお読みください。

 なお,メディビックグループ社の会計監査人はアスカ監査法人。同監査法人は,この時期,3つのクライアントにおいて,並行して調査委員会による調査が行われるという異常事態にありました。単なる偶然なのか,アスカ監査法人の厳しい監査手法によるものなのか,外部からは推察するしかないのですが,他の2つの事例についても,ぜひ,検証を進めたいと思っています。