「会計不正調査報告書を読む」Profession Journal誌に寄稿しました。

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 Profession Journal誌に連載させていただいている「会計不正調査報告書を読む」も,ついに60回目を迎えました。ほぼ月に1回のペースですので,5年ばかり続いていることになります。いつも的確な指摘・校正をいただいている編集部にあらためて,感謝します。今回とりあげたのは,ながの東急百貨店の従業員不正事件。長野駅に降り立ったことのある方なら,駅前にある東急百貨店を記憶されているかと思います。ながの東急の名物催事である「ワールド・ジュエリー&ウォッチ・フェア」を舞台に,従業員が架空の売上を計上して商品を転売し,その代金を着服するという事件です。

 本件を連載でとりあげることにした理由は,こうした従業員不正による売上計上は,何を基準に取消すべきかという論点にあります。本件の首謀者は,当初,転売によって得た資金を一時流用しただけで,百貨店の規定する期限までには入金して,架空売上を隠蔽していました。ところが,2016年に入って,架空販売件数・金額とも一気に増えて,とうとう資金繰りに詰まって,発覚することになったわけです。

 さて,従業員が転売した商品に係る売上は取り消すべきか否か。

 第三者委員会は,ここで,ある基準を持ち出します。

 調査報告書を読んだ感想は,その基準には大いに疑問があるというものでした。詳細は,ぜひ,Profession Journal誌を読んでみていただきたいと思います。