株式会社郷鉄工所,倒産(東京商工リサーチより)

 9月11日をもって上場廃止となることが決まっていた東証名証2部上場の株式会社郷鉄工所が2回の不渡りを出して,銀行取引停止処分になったようです。

 郷鉄工所といえば,第三者委員会を設置するための費用が捻出できないとか,第1次調査の範囲を限定しすぎたため,監査意見が出ないので,追加調査を行うとか,追加調査のための費用を借入金で賄うなどといった,リリースが毎日のように出されていて,結局は有価証券報告書を提出できないために上場廃止となったという経緯をたどっていたのですが,やはり相当に資金繰りはきつかったようです。

 もっとも,会社側の見解は少し違います。

http://www.gohiron.co.jp/statement/up_img/1504250727-059872.pdf

 上記のリリースによれば,

本手形は今後の借入を目的として振出先に預けておりました手形であり,本手形を担保とした借入は実行されていないことから,取立に持ち込まないよう交渉しておりましたが、残念ながら不渡りという状況になりました。

ということで,本来は,不渡りになるはずのない約束手形であったようです。郷鉄工所と債権者の間でどのような交渉が進められていたのかはわかりませんので,リリースの内容が正しいかどうかは判断できません。

 東京商工リサーチの記事では,まだ営業は継続中ということであり,今後,スポンサー企業が現れるなどして,再生への道を進むのか,このまま破綻処理へと移行するのか,粉飾決算企業のその後ということで,注目しています。