「租税争訟レポート」Profession Journal誌に寄稿しました。

 隔月で寄稿させていただいている「租税争訟レポート」が,本日公開のProfession Journal誌最新号に掲載されました。今回は,所得税法第204条1項6号に指定されているホステスさんに支給する対価の額が,なぜ,最近の裁決や判決では,事業所得ではなく,給与所得と認定されているのかを検討しました。

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 連載第39回となる前回の記事でも,外注費として支払った対価が,給与認定された結果,源泉徴収すべき所得税について納税告知処分が課されるとともに,外注費として課税仕入れの額に算入していたことを否認された結果,消費税額等についても過少申告加算税や重加算税の賦課決定処分を受けている事案を紹介しましたが,今回も,問題点としては同じ流れの中にあります。

 ホステスさんが,独立して事業を営む「個人事業主」ではなく,経営者や店長の指揮命令下にある社員やアルバイトと同じであることから,支払われた報酬は事業所得ではなく給与所得であるという課税庁側の主張が認められている背景には,キャバクラやガールバーなどの風俗営業の新しい店舗形態が増えた結果,これまでの専業ホステスが減少し,副業としてのホステスやアルバイト感覚で風俗店で働く女性が大幅に増加したことにあるのではないかというのが,現時点での筆者の結論です。