「速報解説」国税不服審判所公表裁決事例(平成30年4月~6月)が公開されました。

 国税不服審判所が,3カ月ごとに公開している「公表裁決事例」について,平成30年4月~6月分が12月17日付で,公開されました。これまでも公開のたびに「速報解説」としてProfession Journal誌に寄稿しておりましたが,今回の記事が先ほど誌上で公開されました。

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 このところ,公表裁決の件数は増加傾向にあり,今回も18件の裁決が公表されています。とはいえ,国税不服審判所の裁決は,納税者の予測可能性を担保するためにも全件公表が当然であるという前提から見れば,まだまだ,公表数が少ないのは,毎回,このブログでもお伝えしているとおりです。

 今回も18件のうちから筆者が注目事案として3件,不服審判所の考え方を中心に紹介しましたが,なかでも,債権者が,詐害行為取消請求権に基づき,債務者が贈与により取得した土地について贈与契約を無効とする判決を勝ち取り,債権者代位権または取立権に基づいて,債務者に代わって贈与税の申告に係る更正の請求を行い,還付金を差し押さえようとしたところ,審判所が,更正の請求ができるのは納税者に限られていることから,債権者には更正の請求ができない旨の裁決をした事案については,たいへん興味深く読みました。

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