「租税争訟レポート」Profession Journal誌に寄稿しました。

 ほぼ隔月で連載を続けているProfession Journal誌「租税争訟レポート」連載第53回が公開されました。前回に引き続き,消費税に関する判決をとりあげています。

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 原告は,株式会社エー・ディー・ワークス。中古の住宅用マンションを購入して,バリューアップを行ったうえで転売するビジネスモデルにより,建物等の購入に係る消費税額等を課税仕入れとして,消費税等の確定申告時に仕入税額控除の対象としていたところ,処分行政庁から,購入から転売までの期間,住宅用として賃貸していることにより非課税売上が発生しているため,この課税仕入れについては全額を仕入税額控除とすることはできないという課税処分を受けました。

 同様の事案は,国税不服審判所による裁決でも争いになっており,別件の課税処分を巡る裁決では,国税不服審判所は,処分行政庁による課税処分を適法であると判断して,納税者の審判を棄却しています。

 一方,本件で,東京地方裁判所は,納税者である原告の訴えをほぼ100%認容して,課税処分を全部取消しを命じる判決をしています。

 判決については,ぜひ,記事をお読みいただきたいのですが,原告によるリリ-スを読むと,本件では,大手法律事務所が国税不服審判所に対する審査請求の段階から全面的に関与しているようで,弁護士と補佐人税理士の共闘が功を奏していると評価していいと思いました。