【税務訴訟】塩野義製薬,ついに訴訟提起へ。
塩野義製薬株式会社が,大阪国税局は,「現物出資に関する税制上の適格性については事前に当局に照会し」ていたにもかかわらず」,「合理的な説明を行うことなしに,事前照会の結論を覆し」て更正処分を行ったという衝撃的なリリースを出してから,ほぼ2年が経過,ついに争いの舞台が東京裁判所に移されっるとのことです。
事前照会制度とは,次のように説明されています。
国税庁では、事前照会に対する文書回答手続に関する事務運営指針に基づき、納税者の皆様の予測可能性の一層の向上に役立てていただくため、特定の納税者の個別事情に係る事前照会について、一定の要件に該当しない限り、文書による回答を行っています。
今回の塩野義製薬株式会社の事前照会がどのような手続でなされたものか,文書による回答があったのか,国税局での相談にとどまるものかは不明ですが,「納税者の予測可能性を向上する」制度であるはずの事前照会の結論を覆したものであるとすれば(塩野義製薬株式会社の言い分を全面的に信じるとすれば),これは大いに問題があると言わざるをえないでしょう。
今回,塩野義製薬株式会社が訴訟提起に踏み切ったことによって,法廷の場で,何かと使いづらいと評判の事前照会制度の在り方について議論が深まるようであれば,納税者とその代理人である税理士にとっては意義のあることではないかと期待します。
↓ 塩野義製薬株式会社のリリース
http://www.shionogi.co.jp/company/news/2016/qdv9fu0000010ntk-att/160902.pdf
なお,毎日新聞の以下の記事も詳しいです。