基本は月1回連載の「会計不正調査報告書を読む」ですが,10月2本目が公開されました。今回は,ニデックの役員責任調査委員会による報告書をとりあげました。マスコミ報道などでもご承知のとおり,調査委員会は,永守さんをはじめとする歴代社長・取締役・監査役について,「任務懈怠」を認める報告書をとりまとめました。
編集部の方が,以下のようなコメントで紹介してくれました。
業績目標を先に決め、そこから逆算して減損処理の対象を選ぶ。ニデックの役員責任調査委員会は、こうした処理方針を会計の基本理念の逆転と批判し、創業者ら役員の任務懈怠を認定しました。これまで責任追及が少なかった執行役員CFOの法的責任にまで踏み込んだ点も見逃せません。
— 税務・会計Web情報誌「プロフェッションジャーナル」編集部 (@profession_n) 2026年10月29日
そして,報告書公表から1週間後,ニデックは,訴訟の提起を公表します。
https://www.nidec.com/files/user/www-nidec-com/corporate/news/2026/1027-01/261027-01jp.pdf
役員責任調査委員会の委員のみなさんがニデックの代理人として,永守さんたちを訴えるということですが,これには違和感があります。
調査委員に就任のときからこのストーリーがあったとすれば,「永守さんたちの任務懈怠を証明する」→「民事訴訟で代理人となって,さらに報酬を稼ぐ」という誘惑がありそうですし,報告書公表後に代理人になったとしても,「報告書の正しさを立証するために,永守さんたちの反論をなんとしても潰す」というインセンティブが働きそうです。とすれば,調査委員としての独立性や中立性にも疑義が生じるのではないかと,愚考している次第です。
まだまだ事件は終わりません。今後の推移をじっくりと拝見したいと考えます。
