「租税争訟レポート」Profession Journal誌に寄稿しました。
web情報誌Profession Journal最新号に,「租税争訟レポート【連載第37回】」を寄稿しました。今回とりあげた判決は,別件の脱税事件で有罪判決を受けたげ原告の代表が,その脱税事件の際,早期に保釈してもらうために行った修正申告について,その有効性を争ったものです。
判決文によると,原告の顧問税理士は,自らの遊休預金口座を原告代表に渡して,架空の役員報酬を振り込むことで,法人税を脱税したり,実態のない関連会社を次々と設立して,本来は原告の従業員である社について,関連会社の従業員であるかのように仮装して,関連会社との間の業務委託契約に基づく外注費を課税仕入れとして処理し,消費税を不当に免れていたということです。
消費税を節税するために,新設法人を利用するという行為は,かつて非常に多く見られた節税策ですが,さすがに悪質であるということで,別件刑事事件は,原告代表と顧問税理士の有罪が確定しています。
興味深かったのは,処分行政庁側が,実態のない関連会社が従業員に支払った給与に対する源泉所得税を,関連会社に対しては「誤納金」として還付したうえで,原告に対して,納税告知処分を行い,さらに重加算税の賦課決定処分を行った点です。なるほど,そのようにして重加算税を取りに行くのかと,妙に納得しました。
ご興味がありましたら,ぜひ,ご一読ください。