昨日の読売新聞朝刊1面の記事。インボイス制度が導入されたら,大企業はインボイスを発行できない免税事業者との取引を敬遠することになり,免税事業者が自ら課税事業者を選択するケースが増えるから,税収は2,000億円程度膨らむ見通しだということです。
記事では,2,000億円の増収根拠が書かれていないので,どれだけの免税事業者が課税事業者に転換する見通しであるかなどはわかりません。
ただ,そもそもインボイス制度の導入は,課税事業者の消費税の納付税額計算にあたって,免税事業者からの仕入にも仕入税額控除の適用を認めてきた欠陥を是正するための措置であり,紙面でも,「税額計算が明確になる」「経理の透明性が高まる」と説明されています。
消費税率が高くなるにつれて,消費税を納付する義務を負わない免税事業者の存在が税収に与える影響は看過できないものとなっているということでしょうが,消費税が導入されてから30年を過ぎているというのに,いまだに,零細事業者の事務負担軽減のためとして,免税事業者制度を維持してきた結果,約500万の事業者が消費税を納付する義務を負っていないという状況は,インボイス制度の導入で少しは改善するのでしょうか。