国税庁「確定申告書作成コーナー」の変更点

 例年どおり,1月4日から,「確定申告書等作成コーナー」が使用できるようになり,さっそく使ってみました。多くの税理士さんが,blogなどで書かれていますが,私も一つだけ自慢話を。

www.keisan.nta.go.jp

 平成29年分のデータをもとに,e=-Tax画面を進んでいきますと,おっと,生命保険料控除の入力画面が変わっているではありませんか。証明書の入力画面に進むと,右側に「見本」と赤字で記された「生命保険料控除証明書」があり,それぞれ,どの部分を入力するかが番号で示されています。

 これまでは,先に「旧制度」か「新制度」を選び,保険の種類を選び,金額と保険会社を入力するという手順で「新制度」の場合には,1枚の証明書で「一般」と「介護医療」の2回,入力画面を開く必要がありましたが,それが1回で済むようになるとともに,入力箇所もわかりやすくなっています。

 実はこれ,昨年11月に刊行された『別冊税務弘報 AI・ITの進化と税務』に,小職が寄稿した「e-taxの進化と確定申告」の中で,「『確定申告書等作成コーナー』のさらなる進化への期待』と題した章で,とりあげているものでした。

 拙稿を引用させていただきます。

源泉徴収票や特定口座年間取引報告書の入力画面と同じように,控除証明書の書式と同じ入力画面を作成し,入力手続きを簡素化することで,新制度と旧制度の選択ミスを防止することは可能であろうし,何より,入力しやすくなることは間違いない。

 もちろん,国税庁e-tax開発担当者が,小職の文章を読んでから,画面の開発を行ったと考えるには,時間的に無理があり過ぎますので,担当者の問題意識と小職の意見がたまたま合致したにすぎないことはよくわかっておりますが,少し嬉しかったので,ご報告させていただきます。 

別冊税務弘報 AI・ITの進化と税務

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