Profession Journal誌に寄稿しました。

 毎週木曜日公開のweb情報誌Profession Journal誌で,今週は,連載が2本公開されました。

 まずは,隔月くらいの頻度で連載させていただいている「租税争訟レポート」から。とりあげた事案は,税理士が損害賠償請求を受けた裁判の判決です。争点は,顧問税理士には,顧問先従業員の不正発見義務があるかどうか。被告である税理士の代理人は,税理士損害賠償請求訴訟の第一人者,内田久美子弁護士。小職も,万一,顧問先から訴えられるような事態になった場合には,絶対,内田先生に代理人をお願いしようと思っておりますので,被告の反論に注目しながら,判決をまとめさせていただきました。

 職業的専門家に対するクライアントの要求水準がどんどん高くなる中,あらためて,顧問先とはきちんと契約を交わして,業務範囲を合意しておくことが,こうした請求を受けないためには必要えだると考えた次第です。

 ついで,短期集中連載の「会計不正事件における当事者の損害賠償責任」の第4回。今回は,会計監査人が損害賠償請求を受けた二つの訴訟について,まとめています。裁判所の判断はいずれも「請求棄却」で,損害賠償請求は認められませんでした。被監査会社で,巧妙な手口で隠蔽工作が行われていれば,まず,監査で不正を発見することは難しいというのが結論のようですが,原告が主張した「不正の兆候」については,監査を行う上で貴重な視点として,参考になるもであると思います。

 次回は,主幹事証券会社の損害賠償責任について,検討する予定です。