web情報誌，Profession Journalに連載中の「会計不正報告書を読む」が，昨日の公開記事で，ついに連載３０回目の節目を迎えました。本連載からは，昨年１０月，「企業はなぜ，会計不正に手を染めたのか」という単行本も刊行されるなど，小職にとっては大変ありがたいメディアです。
３０回目にとりあげさせていただいた事例は，配電制御設備メーカーの株式会社かわでんにおいて，退職した元従業員の指示に基づき，発注した電線が廃品回収業者に横流しされていたというものです。手口自体は単純なものですが，購買発注担当者が何の疑問も持たずに発注を繰り返していたのはなぜか，原価計算上，異常点（実際原価が増加して損益を圧迫）が発生していたにもかかわらず，なぜ，放置されていたのかなど，第三者委員会の解明ぶりをまとめました。
株式会社かわでんが，東京証券取引所に提出した改善報告書には，規模がさほど大きくない上場企業の内部統制のあり方について，いろいろと考えさせられる内容となっており，こちらも必読かと思われます。
http://www.jpx.co.jp/listing/stocks/public-announce/nlsgeu000000pxbj-att/KAWADEN-150331.pdf
