「税務弘報」2021年11月号に寄稿しました。

 税務弘報編集部さんからのご依頼で,2021年11月号の特集「税務の失敗学50」に寄稿しました。表紙に「私,失敗しないので」と言える税理士たれ,と書かれていて,それだけで「ドッキリ」ですが……。

 見開き2ページ,約2,000文字で,税務調査で問題となった事案の概要から処分の判断の決め手,得られた知見などをまとめるのは非常に難しかったのですが,編集部の適確な指摘や示唆もあり,何とかまとまりました。

 とりあげた事案はもう20年近く前,私がまだ企業の経理部門在職時の話なので,とっくに時効となっているケースで,長い,経理部門暮らしと税理士人生を通じて,唯一の重加算税賦課決定処分を受けたものです。中途採用で入社してまだ3年も経っていない状況で,商談内容の把握も十分ではなく,当時,4名の調査官が連日来社していて,2名一組で調査をしている中で,私は,本件とは別の事案にかかりきりになっていて,本件は上司に任せていたなど,くどくどと言い訳を並べることはできるのですが,いったん,「重加算税が取れる」と踏んでからの国税局調査官の追及は執拗だったと記憶しています。

 私以外の税理士の「失敗学」については,まだタイトルに目を通した程度ですが,成功事例を公表するケースはいくらでもあるでしょうが,税理士が実際に自分がやっててしまった失敗を公表するのは稀であり,おそらくは興味深い事案が多数,含まれているのではないかと期待しています。

 ぜひ,ご一読ください。

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