「会計不正調査報告書を読む」Profession Journal誌に寄稿しました。

 ほぼ月に1回の割合で連載を続けさせてもらっている「会計不正調査報告書を読む」の連載第73回を寄稿したProfession Journal誌が公開されています。

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 今回は,愛知県下でスーパーマーケットを展開する株式会社ドミーが設置した第三者委員会の調査報告書をとりあげました。本件は,中間報告書が公表されたり,第三者委員会の委員を追加で選任したりと,気になっている事案であったのですが,3か月を超す異例ともいえる長い調査の末,報告書がまとまったようです。

 不採算店舗の減損を回避するための涙ぐましい努力の数々を,数千円単位の利益の付替えまでもを明らかにしている第三者委員会の調査については,「ご苦労さまでした」という外はないのですが,徹底した調査が長期間にわたった結果,ドミー社は四半期報告書が提出できず,上場廃止に追い込まれます。第三者委員会とドミー社経営陣との間でどのようなやりとりが行われたかはわかりませんが,上場廃止という,株主をはじめとするステークホルダーの多くが望んではいなかったはずの結果を回避するために,何か策はなかったのかなというのが感想でした。