「会計不正調査報告書を読む」Profession Journal誌に寄稿しました。

 毎月連載の「会計不正調査報告書を読む」第135回が,昨日公開のProfession Journal誌に掲載されました。常務取締役が,子会社社長だった時期の不正ということで,注目していた事案でしたが,報告書を読んでみると,「ゴルフ好きなおじさん」がちょっと羽目を外してしまったという感じで,いまどき,こんなおじさんがまだ生息しているんだなと変な関心をしてしまった報告書です。

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 「東海リース」という社名を聞くと,筆者のような古い人間は,今はもう名前が消えてしまった中部地方に本店があった金融機関の子会社であったり,資本が入っていたりするのではないかと考えてしまうのですが,沿革を読むと,まったく違う会社であることがわかります。

 大阪の本社から離れた香川県の子会社で,社長として派遣された親会社の取締役を兼務する眞榮田氏は,工場用地の造成時,敷地内になんとゴルフ練習場を作ってします。いくら土地が安い地域とはいえ,なかなか大胆ですが,この造成費用自体は従業員の福利厚生の意味合いもあって,会社が負担したようです。問題は,その後の維持管理だったのでしょう。社長以下3名の取締役と総務部長は,自分たちが設立した会社を取引に介在させて,10%程度のマージンを抜き,これを裏金として,ゴルフ練習場の維持管理費用に充てたり,個人的に費消したりすることになります。

 発覚の経緯は,報告書に明記されておらず,よくわからないのですが,子会社社員からの内部通報かもしれません。ゴルフに興味がない従業員が,工場敷地内にゴルフ練習場があるのを見れば,「何かおかしい」と思うのは当然でしょう。

 ともあれ,悪事は発覚し,取締役は全員が解任され,または辞任し,総務部長も処分されたようです。

 詳細は,ぜひ,記事全文をお読みください。