「租税争訟レポート」をProfession Journal誌に寄稿しました。

 先週はさすがに少し忙しくて,記事をアップする時間がとれませんでした。

 あらためて,先週公開されたProfession Jornal誌に寄稿した「租税争訟レポート」のご報告です。ほぼ隔月掲載で,連載は第65回となりました。久しぶりの勝馬投票券の払戻金をめぐる所得税の所得区分が争点となった判決をとりあげました。的中した馬券の所得区分については,ご存じの方も多いと思いますが,最高裁判所による2件の判決と,それに伴って改正された所得税基本通達で,概ね取り扱いが決まっています。

 今回とりあげた判決は,外形的には,所得区分を雑所得とする要件が具備されているように思えるが,調査対象年分の中に,1年だけ「損失」が出てしまった年があったときに,所得区分はどうなるかが争点でした。

 第1審である東京地方裁判所は,調査対象年分(3年分)では利益が計上されていることなどを理由に,納税者の主張を認容して,雑所得であるとの判決を出します。しかし,控訴審では逆転。課税庁の言い分を認めて,一時所得という判断を示しました。

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 こじんてきには,控訴審の判断には疑問の余地が多いと思っています。

 納税者は,上告・上告受理の申し立てをしているとのことですので,最高裁判所がどのような判断を示すか,引き続き,注視したい事案です。